
私は枯れた向日葵の群れから静かに夏を手折ると、白い白い焼却炉へと身を横たえさせました。
夏はおのれの残り火にちりちりと身を焦がしながらも、穏やかな寝顔を絶やさず、咲き誇る夢にまどろみます。熱風になでられ、羽虫を踊らせ、湿り気をまといながら、白い世界に立ち誇る栄華に想いをはせているのです。
――また、来年。
それでも最期、子守唄のようにつぶやいた祈りにほろりと種子をこぼすと、音もなくこの世から顔をそむけたのでした。
装画・文章 草葉
私は枯れた向日葵の群れから静かに夏を手折ると、白い白い焼却炉へと身を横たえさせました。
夏はおのれの残り火にちりちりと身を焦がしながらも、穏やかな寝顔を絶やさず、咲き誇る夢にまどろみます。熱風になでられ、羽虫を踊らせ、湿り気をまといながら、白い世界に立ち誇る栄華に想いをはせているのです。
――また、来年。
それでも最期、子守唄のようにつぶやいた祈りにほろりと種子をこぼすと、音もなくこの世から顔をそむけたのでした。
装画・文章 草葉